【海外展開の罠】なぜ日本の優れたIPは、世界で本来の価値を発揮できないのか?

日本のマンガ、アニメ、ゲームといったIPコンテンツは、世界中で絶大な人気を誇っています。しかし、そのポテンシャルが、必ずしもビジネスの成功に結びついていないケースが多いのも事実です。

「海外のファンは熱狂的なのに、なぜか事業としては儲からない」 「海賊版対策に疲弊し、正規の収益化が進まない」

本記事では、出版社、ゲーム開発会社、アニメスタジオ等の事業責任者の皆様が直面する、このような課題の根本原因と、それを乗り越えるための戦略的アプローチについて、元海外法人COO/DMM CMOとしての実践経験を基に解説します。

国内市場で確かな地位を築き、売上も10億、50億、100億と成長してきた。自社のIP(漫画、アニメ、キャラクター、ゲームなど)には絶対の自信がある。しかし、ふと気づくと、国内市場の成長は鈍化し、次の大きな成長エンジンが見えない…。

「海外に、うちのIPを待っているファンがいるはずだ」

その直感は、おそらく正しいでしょう。しかし、その想いを「ビジネスとしての成功」に繋げられている企業は、ほんの一握りです。

初めまして。グロース戦略パートナーのJapanConnectAdvisoryです。 かつて私は、ある大手電子書籍プラットフォームの米国法人COOとして、ゼロから組織を立ち上げ、年次200%成長を実現しました。また、国内最大級のエンタメプラットフォームではCMOとして、数々のIPをグロースさせる責任を負ってきました。

その経験から断言できるのは、年商10億〜300億円規模の、まさにこれからの成長を目指す企業様が、海外展開で驚くほど同じ「罠」にハマってしまうという事実です。

今日は、あなたの会社がその罠を避け、眠っているIPの価値を世界で解き放つための「4つの罠」について、具体的にお話しします。

罠1:『海賊版対策』が“目的”になってしまう

(※この項目は前回の内容と同様です) 海外展開を考えると、真っ先に頭をよぎるのが海賊版。しかし、「海賊版を撲滅すること」にリソースを集中しすぎるあまり、本来の目的である**「正規マーケットでの収益化」**が後手に回っていませんか?

発想を転換すべきです。「海賊版が出るのは、そこに熱狂的なファンがいる証拠だ」と。私たちがやるべきは、彼らを非難することではなく、海賊版より速く、使いやすく、適正な価格で、魅力的な正規版を届ける努力です。その市場の熱量を、どうやって自社の収益に繋げるか?その視点こそが、グロースの出発点です。

罠2:『翻訳』と『文化』の壁を甘く見る

「うちのIPはストーリーが普遍的だから、翻訳さえ正確なら伝わるはず」。これは、極めて危険な思い込みです。なぜなら、ファンはテキストを読んでいるのではなく、「文化」というフィルターを通して物語を体験しているからです。

私が米国事業で痛感したのは、この「文化の壁」の厚さでした。

  • ユーモアの質: 日本の「お約束」のツッコミや、言葉遊びの面白さは、文化的な背景を知らない海外の読者には1ミリも伝わりません。
  • キャラクターへの共感: 日本では「健気な努力家」が好まれる一方、アメリカでは「スマートな自己実現」を体現するキャラクターが支持される傾向があります。キャラクターの行動原理が、現地の価値観に合っているかは死活問題です。
  • タブー: 日本では何気ない表現が、特定の国や宗教、文化圏では深刻なタブーに抵触する可能性があります。意図せずファンを傷つけ、炎上するリスクは常に存在します。

これらは、単なる翻訳(ローカライズ)では解決できません。現地の文化を深く理解し、IPの魅力を損なわない範囲で表現を最適化する**「カルチャライズ」**という視点が不可欠です。そのためには、現地のクリエイターやファンの声に真摯に耳を傾けるプロセスが欠かせません。

罠3:『誰に』売るのか、顔が見えていない

「うちのIPのターゲットは、海外の日本アニメファンです」 これでは、大海に向かって石を投げるようなものです。海外マーケティングの成否は、ペルソナ設定の解像度で9割決まります。

私がCMOとしてIPをグロースさせていた時、最もこだわったのが顧客理解です。「20代女性」という大きな括りではなく、**「〇〇という雑誌を愛読し、休日はカフェ巡りをする20代女性」「△△というゲームにハマり、休日はイベントに行く20代女性」**では、心に響く言葉も、有効な広告も全く違いました。

これは海外なら、なおさらです。 例えば、「アメリカ在住の10代のファン」というだけでは不十分です。

  • 彼/彼女はどこで情報を得ていますか? (TikTok? Instagram? Twitch? Reddit?)
  • どんなインフルエンサーをフォローしていますか?
  • どんな言葉(スラング)を使っていますか?
  • あなたのIPの「どこ」に熱狂しているのですか? (キャラクター? ストーリー? 世界観?)

この「顔の見える顧客像(ペルソナ)」を、データに基づいて具体的に描き、そのペルソナが使う言葉で、そのペルソナがいる場所に、メッセージを届ける。この徹底したペルソナマーケティングこそが、無駄な広告費を削減し、熱狂的なファンコミュニティを築くための唯一の道です。

罠4:国内の『成功体験』が足枷になる

最後の罠は、最も根深いかもしれません。国内で成功を収めた企業様ほど、日本でのビジネスモデル、パートナー企業との関係性、そして「こうあるべきだ」というプライドが、海外での柔軟な発想を妨げます。

海外展開とは、いわば「第二の創業」です。過去の成功体験が通用しない世界で、ゼロから市場を切り拓くという覚悟が求められます。時には、国内では考えられないような価格設定や、異業種のパートナーとの提携が必要になるかもしれません。

■あなたの会社の「次の一手」は、まず「診断」から

文化の壁、ペルソナの特定…。これら複雑で厄介な課題を、海外経験の少ないチームだけで乗り越えるのは至難の業です。

だからこそ、私はご提案します。いきなり大きな投資をするのではなく、まずは客観的な「診断」から始めませんか?

私がご提供する**【グロース戦略診断レポート】**は、まさにそのための羅針盤です。

  • 市場の特定: 貴社のIPは、世界の「どの国」の「どんな文化」に最も響く可能性があるか?
  • ペルソナ設計: そのIPに熱狂する「顧客の顔」をデータから描き出す。
  • 競合の分析: 現地の競合は誰で、ファンとどうコミュニケーションしているか?
  • 戦略立案: 失敗リスクを最小化し、成功確度を高めるための具体的なアクションプランは何か?

これらに、データと私の実体験に基づいてお答えします。これは、分厚いだけの調査レポートではありません。明日からのアクションに直結する、具体的な戦略プランです。

海外展開は、闇雲に海へ漕ぎ出す航海ではありません。精度の高い海図(戦略)があれば、あなたの会社の「宝」は、必ずや新大陸に到達できます。

その最初の海図作り、ぜひ私に手伝わせてください。ご連絡、お待ちしております。

■ さらに具体的な成功・失敗事例を知りたい方へ

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